パン大陸の水没と2万4000年前の大洪水神話
地球最初の人類と天使たち:アス人とイヒン人の神話
『OAHSPE』によれば、地球で最初に誕生した人間「アス人(Asu)」は、当初は直立して歩くことすらできませんでした。そこで創造主ジェホヴィは、外宇宙から天使たちを召喚し、アス人を導くよう命じました。
この天使たちは、もともと暮らしていた惑星を失い、宇宙空間を漂っていた存在でした。地球で再び暮らせることを喜んだ彼らは、多数が地球へと降り立ち、アス人の指導という任務に従事しました。
天使たちは、地球に満ちていた「セム(semu)」という物質を使って人間の姿を形成し、その肉体に憑依してアス人と直接かかわりながら導きました。
出発に際し、ジェホヴィは天使たちに「生命の木を食べてはならない」と警告しました。セムによって作られた肉体は、あくまで人形のような存在で、生殖能力はありません。しかし「生命の木」を食べることで、生殖の力を得ると考えられています。
地球の初期、火の惑星だった地球は宇宙から大量のセムを浴びましたが、それだけでは生命は誕生せず、「生命の木」という媒介によって初めて子孫を残せるようになったのです。セムはやがて減少し、今ではほとんど存在していないため、新たな種族が誕生する可能性は極めて低いとされます。
天使とアス人の交わり、そして誕生したイヒン人
かつては大量に存在したセムを用い、天使たちは人間の姿を借りてアス人とともに暮らしていました。しかし、創造主の戒めを破り、天使たちは生命の木を食べて生殖能力を得てしまいます。その結果、アス人と交わり子どもをもうけました。
創造主がこれを禁じたのは、天使たちが地球に情を移し、離れられなくなることを恐れたからです。案の定、天使たちは子どもたちへの愛着から地球を去ることができなくなりました。
創造主はこの事態を受け、彼らに罰として「第6世代まで子を育てる」ことを課しました。しかしこれは愛に満ちた罰でもありました。こうして誕生したのが、高い霊的能力を持つ「イヒン人」です。
霊性の衰退と人間の堕落:イフアン人の誕生
イヒン人は神々に愛される存在でしたが、現実の子孫繁栄には関心が薄く、生殖に消極的でした。そのため、アス人とイヒン人の間に生まれた「イフアン人」が地球の主要な人類として栄えていきました。
やがてアス人が滅び、イフアン人が文明を築きましたが、霊的能力に乏しかった彼らは、神の声を聞けなくなり、地球の支配者だと錯覚して傲慢になっていきます。物欲や争いが日常と化し、堕落が進みました。
ドルジの影と霊的退廃:悪の霊魂が地を覆う
死後も地上に執着する人々の霊魂は「ドルジ(druj)」と呼ばれ、闇の存在となって人々に取り憑き、悪行を唆します。善人ですらドルジに憑かれることで悪に染まり、闇へと堕ちてしまうのです。
このように悪が蔓延すると、善が引き立つとはいえ、悪が主役となる世界は創造主の意志に反します。
パン大陸と大洪水:神話の始まり
約2万4000年前、地球は闇の霊魂に覆われ、神々ですら手に負えない状態となっていました。そこで創造主は、大天使アフと神ネフの手によって、闇の霊魂をパン大陸に集め、大陸ごと水没させることで一掃したのです。
この出来事が、のちに「大洪水」として語られる神話の原型であり、人類神話の起点とされる紀元前2万2000年となりました。

紀元前7700年、人類最初の聖書と神話学の第二の節目
神々の堕落と聖人ザラツゥストラの誕生
パン大陸の水没後、人間は善性を取り戻し、地球には平和が訪れるようになりました。善良な霊魂が数多く誕生し、多くの高位霊魂が創造主ジェホヴィの「花嫁・花婿」として上天へ奉献されていきました。
しかし地球の繁栄が進むと、今度は神々が堕落していきました。多くの神々が地上の富を独占しようとして、闇に落ちてしまったのです。彼らは「偽神(false-Gods)」や「偽主神(false-Lords)」と呼ばれました。
幸いにも、これらの偽神たちは自らの領域内で反旗を翻すにとどまり、その影響が地球全体に及ぶことはありませんでした。ダンの周期において大天使が降臨すると、多くの偽神は掃討されていきました。
ただし、偽神たちが現れると、その影響で悪徳な人間の霊魂が彼らに従属するようになり、地上にも混乱が広がりました。当時の人類の多くは「イフアン人」で、彼らは神の声を聞くことができませんでした。しかし、それでも神の教えに従わせなければ、偽神が出現するたびに世界は混乱してしまうのです。
ザラツゥストラ誕生計画とイフアマズダの導き
イフアン人を教導するために、神イフアマズダは一人の「聖人」を生み出す計画を立てました。それは世代を超えた壮大な計画で、イヒン人の霊魂とイフアン人を結婚させ、その子が成長するとまた別のイヒン人と結婚させ…という流れを繰り返し、善良で霊的に優れた子孫を作るというものでした。
こうして誕生したのが、聖人ザラツゥストラです。神イフアマズダは、彼が赤ん坊の頃から庇護し、神の声を届け、教育を施しました。
ザラツゥストラの母・トーチェは「自分は処女懐胎した」と主張し、それゆえに周囲の人々からは疑いの目を向けられていました。その噂はペルシア最大の都市・オアスの国王の耳にも入り、母子は命を狙われることとなります。彼らは逃れてリスティア人の集落に身を寄せました。
王との対談と最初の聖典の誕生
成人したザラツゥストラは神の啓示に従い、自らの命を狙ったオアスへと戻ります。そこでは、すでに国王が代替わりしており、アシャ王が即位していました。彼はザラツゥストラの話を聞き、神イフアマズダとも対話し、ついにその教義を信じるようになります。
その後、神イフアマズダとザラツゥストラはリスティア人のもとへ戻り、十年以上の歳月をかけて人類初の聖典を編纂しました。
アシャ王はその聖典を国内に布告し、自らは退位してザラツゥストラの弟子となりました。当時、アシャ王はすでに高齢でしたが、30代後半のザラツゥストラに師事しました。
迫害と殉教、そして教えの継承
その後、ザラツゥストラは各地に赴いて説法の旅を続けました。各地で信者が増える一方、支配者たちは彼を危険視し、何度も刺客を送り込みますが、神イフアマズダとその僕である天使たちに守られ、命を守られました。
説法を終えたザラツゥストラは、再びオアスに戻ります。しかし、当時の王・ポニャはザラツゥストラを罪人とみなし、彼を処刑しました。この暴挙に人々は激怒し、ポニャ王は暴動によって命を落とします。
ザラツゥストラの教えは、彼の弟子でありかつ友人でもあったアシャをはじめ、多くの人々に受け継がれ、やがて「ゾロアスター教」として世界中に広がっていきました。
紀元前7700年――神話学の第二の転換点
人類最初の聖典が誕生した紀元前7700年ごろは、神話学において「第2の節目」とされています。この時代を境に、人類の霊魂は飛躍的に進化したと考えられているからです。

神話学・第三の節目:創造主に背いた神の反乱
霊界と地上世界のつながり、そして神々の反乱
この世界には、霊体が暮らす「天界」と、肉体を持った人間が暮らす「地球(実体界)」の二つの世界があります。天界で起こる出来事や変化は、地球にも少なからず影響を与えます。
天界には二つの階層が存在します。一つは地球に属する天界、すなわち「下天(the lower heaven)」であり、もう一つは「涅槃(nirvana)」に属する「上天(the upper heaven)」です。
ところが、地球で生まれた霊体の中には、上天や涅槃の存在を知らない者が多くいました。そのため、地球の人間が「外宇宙に自分たちと同じような生命体が暮らす惑星が存在する」という考えをなかなか受け入れられないのと同様に、下天の霊体たちもまた、上位の世界や存在を認識できないことが多かったのです。
つまり、地球人だけでなく、地球に由来する霊体もまた、外宇宙に別の世界が存在することを受け入れていなかったというわけです。
それでも、創造主の存在を信じ、その教えに従う神々も当然いました。しかし、問題はその中に「創造主の存在を認めながらも、その教義に疑念を抱き、ついには反乱を起こした神」が現れたことでした。
この神の反乱は、神話学において「第3の節目」と呼ばれる重要な出来事となっていきます。
参考文献, 使用画像
図書 | 著者 | 出版社 |
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OAHSPE ”A New Bible in the Worlds of Jehofih and His angel embassadors.” | John B. Newbrough | OAHSPE PUBLISHING ASSOCIATION |
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