【OAHSPE哲学】「円は世界の円」──宇宙と霊魂をめぐる無限循環の意味とは?

OAHSPEの記述の中の「謎の一節」

カピーリャ王子の祝詞にある難解な言葉

OAHSPE第26書「ボン弧の書」の中で、古代ヴィンデュ(インド)のハフガニスタンに生まれたカピーリャ王子が、創造主の信徒に向けて披露した祝詞に、非常に難解な一節があります。

あなたの円は世界の円ですThy circle is the circumference of the world.

OAHSPE-26『ボン弧の書』9章-7

ここで言う「あなた」とは創造主を指しています。問題は「円」が何を意味しているのか、という点です。

宇宙の「円」とは何を指すのか

OAHSPEでは、宇宙全体を「偉大なる蛇(Great Serpent)」と呼び、数多くの太陽系がその軌道を周回していると説明されています。私たちの地球を含む太陽系も、その一部に属しています。

この「偉大なる蛇」の軌道は拡大を続けており、新たな惑星や生命が誕生し、やがて文明が築かれていくのだと考えられます。
さらに、輪廻転生そのものもまた「円」のように繰り返されるものです。

つまり「円」とは、終わりのない無限の世界の象徴ではないでしょうか。「始点」はあっても「終点」がない存在、それが円の本質だといえます。

世界の定義

世界の始点と終点をめぐって

私の考えでは、この世界は「無為」から始まったのではないかと思います。始まりはあっても、終わりはない──それが「円」の示す真意なのかもしれません。

さらに思うのは、私たちの世界と並行して「同じような世界」が存在する可能性です。いわゆる並列世界の概念です。霊魂が功徳を積み、霊的な階級を高めていけば、やがては創造主と同格の存在に至り、別の世界を創造することもあり得るでしょう。

そう考えると、霊魂の成長の最終目的は「別世界の創造」にあるのではないかと思われます。霊魂は成長し霊格を高めていくと涅槃(ニルヴァーナ)で暮らすことができると言いますが、霊的な成長の終着点は涅槃ではなく、「円」の概念に即した、終わりなき進展こそ、この世界の本質なのではないかと考えます。

無限の世界における「終着点」

無限に続く世界に、果たして終着点はあるのでしょうか?
答えは「目的」という名の終着点だと考えます。

人それぞれ成長の速さは異なりますが、時間をかければ目的に到達することは可能です。ただし、その目的は現世の富や権力では意味を持ちません。なぜなら、それらは死後に霊界へ持ち込むことができないからです。

掲げるべき目的とは、霊的な成長を促進するもの、すなわち「弱者を支援すること」や「人々を教導すること」といった、他者に貢献する内容でなければ意味がないと考えます。

カピーリャ王子の誓い

カピーリャ王子は、自らの誓いを次のように語っています。

私がここに投げ入れたこの石をあなたに対する私の誓約とし、今から世俗への情熱と欲望を捨て去ると誓います。

OAHSPE-26『ボン弧の書』9章-7

現世の富や名誉は確かに魅力的です。しかしそれを求めるのではなく、人々に尽くす生き方こそが魂を浄化し、霊的成長へとつながるのだと教えているのです。

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