【解説】OAHSPEとはどういう本なのか?(1)

OAHSPEとは、どういう本なのか?

『OAHSPE(オアスペ)』とは、ジョン・B・ニューブロー(John B. Newbrough/1828–1891)氏が「自動書記」という手法によって記した書物です。
「自動書記」とは、書き手が無意識のトランス状態に入り、その身体を何者かに操作されるかのようにして書き進める方法を指します。

ニューブロー氏はもともと霊感が強く、幼少期から霊魂と会話する能力を備えていたとされています。ある時、さらに高次の霊魂との交流を望むようになり、さまざまな試行錯誤を重ねた末に、「自動書記」という方法による執筆を始めるに至ったと伝えられています。
(参考)(https://www.encyclopedia.com/science/encyclopedias-almanacs-transcripts-and-maps/newbrough-john-ballou-1828-1891

OAHSPEが出版されたのは1882年です。
OAHSPEの執筆の目的についてはOAHSPEの冒頭文にこう書かれています。

本書は過去24,000年間、地球を支配してきた上天と下天の神聖なる歴史である。ここには宇宙の起源,惑星の創造,人間の創造,不可視の世界,精霊エーテリア界における男神女神の尽力と栄光が記されており,コスモン時代の33年目に綴られた,ジェホヴィが現代の人間に対して授けた新しい戒律と,第2の復活からの啓示である。

地球の誕生は約33億年前とされていますが、『OAHSPE(オアスペ)』は、それよりもはるかに後の「約24,000年前」からの歴史を記した聖典です。
とはいえ、人類は24,000年前よりもはるか以前から存在していました。実際、OAHSPEには、約7万年前に地球に君臨していたとされる最初の神「セタンテス(Sethantes)」に関する記述も存在します。そのため、あえて「24,000年前」と明記しているのは誤りではなく、むしろこの時期が地球にとって重要な転換点であったことを示しているのです。

OAHSPEが書かれた目的のひとつは、この地球における大きな節目となった24,000年前以降の歴史を、現代に生きる私たち人類に正確に伝えることにあります。

24,000年前に地球で何が起きたのか?

地球が誕生したのは、約33億年前であると言われています。しかし、この広大な宇宙の中で地球が偶然に生まれたわけではありません。地球は、宇宙全体を統べる絶対的な存在、すなわち創造主ジェホヴィの御手によって創られた、数多くの星々のひとつに過ぎないのです。

そのため、宇宙には地球以外にも人類が生存する惑星、いわば「別の地球」が存在しています。中には、地球よりもはるか以前に誕生した惑星もあれば、すでに寿命を迎え、死滅してしまった惑星もあると言われています。

では、地球が死滅した場合、そこに暮らしていた人間はどうなるのでしょうか。

人間は死ぬと霊魂となり天国へと行きますが、地球が死滅するとその天国は地球から離れて広大な宇宙を旅することになります。

さて、私たちが暮らすこの地球が誕生し、生命が生活できる環境が整ったとき、創造主はここに人間を創造されました。その最初の人類は「アス(Asu)」と呼ばれましたが、彼らはまだ上手に直立して歩くこともできない状態でした。
そこで創造主は、アス族を成長させるため、宇宙を旅する霊魂たちに地球への移住を勧めました。その際、創造主は霊魂たちに対し、「生命の木には決して触れてはならない」と忠告しました。

霊魂たちは地球の物質を使って人間の肉体を造り、その肉体に宿ることで「天使」としてアス族と共に暮らし、彼らの成長を助けました。
ところが、そうした生活の中で、天使たちは創造主の忠告に反して「生命の木」に関わってしまい、アス族との間に子どもをもうけてしまったのです。

このとき生まれた子どもたちは「イヒン(I’hin)」と呼ばれ、非常に霊的な力を備えた神聖な種族として、神々から深く敬われる存在となりました。

しかし、創造主の掟を破ってしまったため、天使たちは自らがもうけた子どもたちやその子孫が無事に成長するまで、天界へ戻ることを許されませんでした。その結果、第6世代に至るまで、彼らの面倒を見続ける使命を課されることとなったのです。

さて、このような異例の事態が起きていたさなか、地球における最初の神として戴冠されたのがセタンテス(Sethantes)です。セタンテスは地球に天国を創設し、地上に生まれた人間とその霊魂が輪廻転生するための仕組みを整えました。この転生の仕組みによって、人は肉体を失った後も霊魂として存在し続け、再び新たな命として復活することが可能となったのです。

セタンテス神は、地球の五大大陸を自ら一人で統治するのではなく、五人の部下の神々にそれぞれの地域の管理を任せました。この五人の神々は主神(Loads)と呼ばれ、各管区に生まれたばかりの未熟な霊魂たちを導き、成長させるために力を尽くしました。

その結果、人類は徐々に進化し、それとともに地球も発展を遂げていきました。中でも最も栄えたのは、日本列島を含む太平洋上に存在したとされる大陸「ワガ(Waga)」、またの名を「パン(Pan)」と呼ばれる地です。

この神の統治制度は任期制であり、地球初の神であるセタンテスも任期を全うすると、地球よりも上位にある天国へと帰還しました。その後、セタンテスの部下のひとりであるハジャ(Hojah)が第2代神として地球の統治を引き継ぎました。

以降も、神の代替わりは幾度も繰り返され、それぞれの時代の神々によって地球と人類はさらに成長していったのです。

しかし、時代が下るにつれ、人間たちは次第に悪徳を貪るようになり、いわゆる「悪人」と呼ばれる存在が増えていきました。ここでいう「悪人」とは、肉体ではなく心(すなわち霊魂)が悪に染まってしまった人々のことを指します。

こうして悪に染まった霊魂は「ドルジ(druj)」と呼ばれ、別名「闇の霊魂」とも言われました。

地球の神々は、人類が悪徳に染まるのを何とか食い止めようと、あらゆる手段を尽くしました。しかしその努力もむなしく、人間たちはもはや神々の力でも抑えきれないほどに悪に染まってしまっていたのです。
この背景には、「ドルジ(druj)」と呼ばれる闇の霊魂が増えすぎたことが大きく関係しています。闇の霊魂の勢力が強くなりすぎた結果、善良な光の霊魂との均衡が崩れてしまったのです。
このような深刻な状況を憂えた創造主ジェホヴィは、ついに地球に対して「剪定(せんてい)」という決断を下されました。
「剪定」とは、植物の不要な枝を切るように、地球から闇の霊魂を間引く、つまり一掃することを意味しています。

当時、地球で最も大きな大陸であった「ワガ(Waga)」あるいは「パン(Pan)」と呼ばれる大陸は、まさに悪の巣窟と化していました。そこで創造主は、上位の天界から「アフ」という名の偉大な神を地球に派遣されました。
神アフは、ドルジたちをワガ(パン)大陸に集め、その大陸を一気に海に沈めるという方法で、闇の霊魂を地球上から一掃したのです。
この出来事が起こったのが、ちょうど24,000年前のことでした。

この「パン大陸の水没」と呼ばれる事件は、『旧約聖書』に記されている「ノアの大洪水」の原型とも言われ、人類の記憶に深く刻まれる歴史的な出来事となったのです。

参考文献, 使用画像

図書著者出版社
OAHSPE ”A New Bible in the Worlds of Jehofih and His angel embassadors.”John B. NewbroughOAHSPE PUBLISHING ASSOCIATION
https://www.encyclopedia.com/science/encyclopedias-almanacs-transcripts-and-maps/newbrough-john-ballou-1828-1891URL

画像:stable diffusion(model:model:etherRealMix_etherRealMix4.safetensors)より生成

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