王の問いに潜む恐怖
紀元前1500年ごろ、ヴィンデュ(インド)のハフガニスタンを治めていたヨコヴラナ王は、死の間際に息子カピーリャ王子を枕元に呼び、このような言葉を残しました。
彼は戦争において多くの敵兵を殺してきました。しかし息子から「人間の霊魂は肉体が滅んでも天界に還る」と聞かされ、自分が殺してきた者たちの霊魂が天界で待ち構えているのではないか、と恐怖したのです。
死の間際に浮かぶ真理
王が語った「死が近づくと、これまでの人生で何をしてきたかを振り返り、魂が震え始める」という言葉は、人間に共通する真理ではないでしょうか。
人生を振り返り、幸福に満ちていたならば安らぎとともに昇天できるでしょう。しかし、後悔にまみれていたならば、未練を抱えたまま霊界へ旅立つことになります。
幸福の定義と霊魂の階級
「幸福」の定義は人によって異なりますが、天界に持ち込めるのは財産や地位ではなく「霊魂の階級(霊格)」です。
現世で他者に尽くし、正しく生きることで霊格は高められます。逆に、自己中心的に生きた者は霊格が低いまま天界での扱いを受けることになるのです。
死を迎える準備として
現世での快楽や権力は死後に持ち込むことはできません。大切なのは、日々の生活の中でどれだけ正しく行動し、他人に貢献できたかということです。
「幸せに死ぬ」ということは、霊魂の成長をどれだけ積み重ねてきたかにかかっているのだと、このエピソードは教えてくれます。
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