闇の霊魂たちの救済現場
神フラガパッティが地球救済に訪れた際、弟子ホーブと共に各地の地獄を巡り、そこに閉じ込められた霊魂を救済していました。
地獄や「群れ(knots)」と呼ばれる集団は、闇の霊魂が他の霊魂を巻き込み形成されたもので、周囲にただならぬ汚臭や混乱をもたらしていたと記されています。
救済が進んだ後も、多くの霊魂は深い傷を抱え、死の眠りについていました。その数はなんと9億人に及んでいたといいます。
自力か、救済か──フラガパッティの問い
フラガパッティは弟子に問いかけました。
「彼らはもう死んでいるのだから、自分で起き上がるのに委ねるべきか?」
これは単なる問いではなく、霊魂の救済をどのように行うべきかを問う根源的なテーマでした。現世であれば、死者は蘇りませんし、迷惑をかける存在から距離を置きたいという心理も理解できます。
しかし、放置してよいのかという問題が突き付けられます。
天界における再教育の仕組み
OAHSPEによれば、霊魂は自力で正道に立ち返ることはほとんどありません。そのため神々は天界に保育所や学校といった施設を建設し、霊魂を浄化・再教育します。そして、奉仕や労働を通じて社会貢献を学ばせた後、現世へと転生させる「第二の復活」が行われるのです。
この背景を踏まえれば、フラガパッティの問いは「救済か放置か」という二択を提示しながら、実際には「救済なしには立ち直れない」という事実を浮かび上がらせていたと考えられます。
ホーブの答えと私たちへの示唆
弟子ホーブが選んだのは「救済」でした。死者をそのままにしても自分で立ち上がることはできないからです。
このエピソードは、霊魂に限らず、現世に生きる私たちにも示唆を与えています。誰かが過ちや苦難に沈んだとき、「放置すればいい」という選択肢は簡単です。しかし本当に必要なのは、寄り添い、支援し、共に再生の道を歩む姿勢ではないでしょうか。
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