人間以外の霊魂について
まず、霊魂には「永遠の生命を持つ霊魂」と「その生限りの霊魂」の2種類があります。
ここでは先に、「その生限りの霊魂」について説明します。
この世界に存在するすべての生き物には霊魂があります。ただし、人間以外の霊魂は、その肉体が活動を停止した(つまり死を迎えた)時点で消滅してしまいます。これが「その生限りの霊魂」と呼ばれるものです。

「霊魂の継続性」という言葉がありますが、このタイプの霊魂には継続性がありません。つまり、その一生の記憶や体験は次の世代に引き継がれず、毎回ゼロからのスタートとなるため、経験を積み重ねることができないのです。
こうした特徴を持つ霊魂のために、創造主ジェホヴィは一つの救済措置を用意しました。
それは、人間以外の生き物が、生まれながらにして生きるための術(=本能)を身につけているということです。(『OAHSPE』第4巻「セタンテスの書」第7〜9章より)
たとえば、虎は誰かに教わらなくても、狩りの方法を本能的に知っています。つまり、自分の牙や脚力をどう使えばいいかを、生まれつき理解しているということです。鳥も、教えられなくても空を飛べます。一方で、たとえば鶏のように飛ぶ能力を持たない生き物は、どれだけ頑張っても空を飛ぶことはできません。
これが、人間以外の霊魂が持つ基本的な性質です。
人間の霊魂について
人間の霊魂は、動物と違って「霊魂の継続性」を持っています。
つまり、肉体が活動を停止して(=死を迎えて)も、霊魂は消滅せず天界へ昇っていき、そこから次の肉体に転生することができるのです。

こうして次の肉体に転生し、またやがて死を迎えると霊魂は再び昇天し、新たな生を受ける――このサイクルを、人間は永遠に繰り返していくとされています。
ただし、転生するためには、最初に「昇天」しなければなりません。昇天とは、地球に属する天界(=下天)に移行することを意味します。どんな霊魂でも、昇天を経なければ次の転生は始まらないため、この昇天のことを「第2の復活」と呼んでいます。
第2の復活を終えた霊魂は、しばらく天界で暮らしながら、さまざまな教育を受けたり、労働活動に参加したりします。現世で荒んでしまった霊魂は、ここで再教育を受けて、霊位(霊魂としての階位)を高めていきます。現世であまり良い行いをしてこなかった人は、天界でしっかり矯正されるというわけです。
ある程度霊位が高まり、地上への転生が許可されると、肉体が誕生した(=胎児が母体に宿った)瞬間に、その霊魂が胎児に付与されます。これが「第1の復活」です。
よく「堕胎」という言葉を耳にしますが、これはせっかく転生する機会を得た霊魂を殺してしまうことになります。『OAHSPE』の観点から見れば、堕胎は殺人とみなされます。そのため、安易に選ぶべきことではないと考えています。
このようにして、「第1の復活」と「第2の復活」を繰り返しながら現世を生きているのが、私たち人間なのです。そして、同じ霊魂が何度も転生を繰り返していく状態こそが、「霊魂の継続性」と呼ばれるものです。
では、人間は最初からこの「霊魂の継続性」を持っていたのでしょうか?
霊魂が徐々に定着していった過程については、『OAHSPE』第21巻「真神の書」第18章の4〜12節に詳しく記されています。その内容を簡単にまとめると、人類のごく初期の段階では、霊魂のほとんどが死後すぐに消滅してしまい、転生できた霊魂は全体の1%ほどしかなかったそうです。
しかし長い年月を経て、紀元前4000年頃には、地球で生まれた霊魂の約9割が「永遠の生命」を持つようになったとされています。
時代 | 期間 | 総人数(億人) | 定着(億人) | (%) | 消失(憶人) | (%) |
---|---|---|---|---|---|---|
人類の草創期 | 1 | 99 | ||||
パン大陸水没前 | 1240 | 260.4 | 21 | 979.6 | 79 | |
アフの周期 | B.C.22000~B.C.19000 | 660 | 356.4 | 54 | 303.6 | 46 |
スーの周期 | B.C.19000~B.C.16000 | 870 | 539.4 | 62 | 330.6 | 38 |
アポロの周期 | B.C.16000~B.C.13000 | 800 | 576 | 72 | 224 | 28 |
トールの周期 | B.C.13000~B.C.10000 | 880 | 748 | 85 | 132 | 15 |
オシレの周期 | B.C.10000~B.C.7000 | 910 | 791.7 | 87 | 118.3 | 13 |
フラガパッティの周期 | B.C.7000~B.C.4000 | 920 | 828 | 90 | 92 | 10 |
地獄について
永遠の生命を得た霊魂は、もはや「死ぬ」ことができません。
そのため、もし地獄に堕ちてしまった場合、救済されない限り、永遠に地獄の業火の苦しみを味わい続けることになります。

そもそも地獄とは、現世に未練を残した霊魂たちが集まってできる“吹き溜まり”のような場所です。
たとえば、現世で多くの人を殺めた者がいたとします。その場合、殺された人々の霊魂は、その恨みを抱いたまま、自分を殺した相手が死んで霊体となるのを待ち受けています。そして、加害者が死後に霊魂となって現れると、今度はその霊魂に対して苛烈な報復を始めるのです。
こうした恨みや復讐の連鎖がいくつも重なると、それが一つの塊のようになり、「瘤(knot)」という状態になります。さらにこの瘤が他の瘤と結びついて大きな集合体になると、「地獄(hell)」として形成されてしまいます。
一度生まれてしまった地獄は、神々の手で解放されない限り、存在し続けると言われています。
このような場所に囚われないためには、現世に未練を残さず、穏やかな心で死を迎えること、そして他人に恨みを買わないように心がけることが何より大切なのだと思います。
参考文献, 使用画像
図書 | 著者 | 出版社 |
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OAHSPE ”A New Bible in the Worlds of Jehofih and His angel embassadors.” | John B. Newbrough | OAHSPE PUBLISHING ASSOCIATION |
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