【解説】OAHSPEとはどういう本なのか?(4)

神々の反抗期:平和の後に訪れた霊的秩序の崩壊

パン大陸が水没した後、地球からドルジの存在が消え、人間たちは謙虚さを取り戻しました。そして世界は平和になりました。
地球は繁栄し、地上には多くの国家が誕生します。地上の繁栄は神々にとっての栄誉でもあったため、地球を管理する神や主神たちはこの結果を喜びました。

そもそも「神(God)」とは、十分に霊的な階級を高めた存在であり、天界の管理者にあたります。その下に位置するのが「主神(Lord)」で、主に国や町を管理し、多くの場合は神に仕える立場となります。

主神の次は「元帥(Marshal)」と呼ばれ、神の玉座のそばに控えて多くの天使を指揮しています。
その下にいるのが「ルーイ(Loo’is)」で、人間の誕生に関わる役割を持つ天使です。
さらにその下が「アシャール(Ashars)」で、いわゆる守護天使と呼ばれ、私たち現世の人間を見守っています。
アシャールの下には「アサフ(Asaph)」がおり、死者の霊魂を天界へ導く役目を担っています。

霊魂にも階級があり、研鑽を積むことで昇級していきます。最下級のアサフが努力を重ねてアシャールになり、さらにルーイ、元帥、主神へと昇っていくという流れです。
天使や神々にとっての「功績」とは、自分が任された人々や国家が栄えることです。たとえば、自分が管理している国が繁栄し強大になれば、それはその国を担当している主神の名誉となります。
つまり、神々にとっては、担当している国や町を繁栄させることがそのまま自身の栄誉につながるのです。
そのため、神々はより大きな国や町をつくろうとし、王や女王、町長といった支配者たちに「もっと大きくせよ」と働きかけます。
しかし、欲望というものは一度芽生えると抑えがたいものであり、神々もまた国や町を大きくしたいと願ったとき、その思いは次第に暴走していきました。
国力を高めるには従順な労働力が必要とされ、結果として多くの善良な人々が奴隷にされていったのです。

そして巨大な国家が誕生すると、主神や神は次第に傲慢になり、地球の全体を管理する高次の神の言葉にも耳を貸さなくなっていきました。
パン大陸の水没に続く次の周期では、今度は神々自身が“反抗期”を迎えることになるのです。

テトラクトと地球の堕落:大天使スーによる秩序回復の物語

B.C.19,000年頃、地球は善良な人間が育たない星になっていました。
創造主ジェホヴィは、そんな地球のことを「不毛な星」と呼びました。

そもそも地球は、善良な霊魂を育てて収穫するために創られた星です。そうして生まれた霊魂は「ジェホヴィの花嫁花婿」と呼ばれ、やがて上天へと昇り、創造主に奉納(=結婚)されていきます。この仕組みによって、上天では階級の高い霊魂たちが数多く暮らすようになり、大宇宙のさまざまな働きに従事してきました。

ところが、地上に悪徳が広がり、善良な人間が育たなくなると、優れた霊魂も生まれなくなります。そうなれば、上天に奉納されるべき霊魂が絶えてしまい、地球は本来の目的を果たせなくなります。その意味において、創造主ジェホヴィは地球を「不毛な星」と呼んだのです。
この状況を改善するために、創造主は大天使スー(Sue)に命じて、地球に根を下ろした悪徳を取り除き、秩序を回復させようとしました。

この悪徳は「テトラクト(tetract)」と呼ばれ、特に以下の7つが最たるものとされています。

  • ディバー(Dibbah):誘惑する悪
  • ラー(Ra):肉体の悪
  • ジンマ(Zimmah):冗談の悪
  • ベリアル(Belyyaal):無価値
  • アベン(Aven):虚栄心
  • アヌス(Anash):破壊の喜び
  • サタン(Sa’tan):死の隊長、欲望の指導者

中でも最も有害なのがサタンです。
人間がこのテトラクトを心に抱えると、次第に悪事へと手を染めていき、霊魂の階級は下がってしまいます。光を遠ざけ、闇を好むようになり、やがては他の善良な人々まで悪に巻き込んでいくのです。

こうした悪徳が根付いてしまう理由の一つは、この地球という世界が「物理法則」という制約に縛られた、不自由な環境であることにあります。
この世界は「可視の世界(=実体界)」と「不可視の世界(=霊界)」に分かれており、実体界は物理法則に縛られているのに対し、霊界は想像力に基づく自由な世界です。

不自由な実体界では、その不自由さを解消しようとして、より多くのものを「所有しよう」とする意欲が生まれます。
この所有欲が「欲望」となり、やがて悪を引き寄せてしまうのです。

つまり、実体界そのものが悪を呼び込む性質を持っているともいえるでしょう。
そのため、人が地上で善良に生きようとするなら、まずは利己的な欲望を断ち切ることが重要になります。

しかし、利己心が強くなれば、人は自分勝手になり、争いが生まれ、地球上に紛争が絶えなくなっていきます。こうして地球全体が悪の温床となってしまうのです。

大天使スーは地球に降臨しましたが、大洪水のような強硬手段を取るのではなく、善行を説くことで悪徳を一掃し、地上に秩序を取り戻しました。
この時は、まだ人々の心の中に大洪水の記憶と恐怖が残っていたため、それほど困難ではありませんでした。

これが、パン大陸水没後に訪れた次の周期の物語です。
この時代は、悪徳が根付き始めてはいたものの、まだ深刻な段階には至っていなかったのでした。

参考文献, 使用画像

図書著者出版社
OAHSPE ”A New Bible in the Worlds of Jehofih and His angel embassadors.”John B. NewbroughOAHSPE PUBLISHING ASSOCIATION

画像:stable diffusion(model:DreamShaper)より生成

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