言葉は創造の力でもあり、破壊の力でもある
紀元前1500年頃、インド(ヴィンデュ)の聖人カピーリャ王子は、信徒たちを集め、土地を与えて生活を保障しながら説法を行いました。その中で説かれたのが、この「言葉は最良にして最も危険」という教えです。
創造主ジェホヴィが世界を創造した時、最初に与えられた力のひとつが「表現」でした。言葉もその一つであり、正しく使えば人を励まし導くことができますが、誤れば人を傷つけ、争いや不幸の原因となります。
三人の旅人の寓話に込められた意味
引用には、三人の旅人の話が出てきます。
- 良いことも悪いことも語った人
- 悪いことばかり語った人
- 良いことだけを語った人
この中で、最も御父の王国に貢献するのは「良いことだけを語った人」だとされました。
一見すると「悪いことも伝えるべきでは?」と思いますが、ここで語られているのは「報告」ではなく「感動した体験談」です。人に感動を与えるのは、美しいこと、喜びや善き出来事です。だからこそ、カピーリャ王子は「良いことを語る人」を高く評価したのでしょう。
嘘ではなく「良いものを見出す目」
大切なのは、嘘をついて良い話を作ることではありません。暗黒の世界の中にも、ひとつは「良いもの」を見出すことができるはずです。その視点を持ち、正直に語ることが求められているのです。
一方で、現実的な「報告」には良いことも悪いことも必要です。寓話を読み解く時は、その前提を見極めることが大切です。
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