マイトライアスの役割と下天の安泰
偽神アフラの脅威が去った紀元前4,000年頃、天界では再び「神族会議(Diva)」が開かれ、地球と下天の秩序回復が進められていました。
その中で重要な役割を担ったのがマイトライアス(Maitraias)の主神領でした。ここは、地上で死んだ後に闇へ堕ちる霊魂(ドルジ、ドルジャ)が天界に侵入しないように防衛する拠点だったのです。
初代主神はヴィシュヌ(Vishnu)と呼ばれ、当初はアフラの勢力に対抗するための前線基地として設立されました。やがてアフラの脅威が取り除かれると、マイトライアスは「闇の霊魂への防波堤」として機能し、下天の安泰を守っていました。
ジェホヴィの警告
しかし、その安定が続くことを創造主ジェホヴィは危惧していました。
「陽気に種を蒔く者たちは悲しみのうちに収穫するものです」
――OAHSPE-24『対ジェホヴィ戦争の書』5章-6
ここで言う「陽気に」とは、将来に対する不安を抱かず、ただ安心に酔いしれてしまう状態を意味します。
つまり、マイトライアスの安泰は一見平和に見えても、そこに油断や慢心が潜んでいると警告していたのです。
アヌハサジの台頭と反乱
ジェホヴィの警告は的中しました。やがて、この主神領から大規模な反乱が勃発します。
その中心にいたのが、かつて偽神アフラの配下であったアヌハサジでした。
アヌハサジを筆頭とする一派は、地上に「ディウス(Dyaus/後のゼウス)」の名を掲げ、各地に神々を根付かせます。こうして、彼らは創造主ジェホヴィに対して公然と宣戦布告したのです。
この出来事が、後に「対ジェホヴィ戦争」と呼ばれる天界最大の反乱の始まりでした。
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