【名言】正しさは一つではない、選んだ道をどう生きるかが大切

ホグが直面した究極の選択

紀元前4,000年頃、インドのヴィンデュで創造主の伝道師ブラフマとその妻ユティヴは、長年にわたり説法の旅を続けていました。
しかし、老境を迎えたユティヴには死期が迫り、彼女を愛する子どもたちのいる村へ帰すようにとの神の御告げが下されます。問題は、ユティヴが自ら歩ける状態ではなかったことでした。

黄金を使うべきか、信仰を守るべきか

この時、偶然にも近くを通りかかった騎馬隊がいました。同行していた末子ホグは、彼らと交渉すれば母を馬に乗せて帰れると考えます。
しかし、手元にあるのは父ブラフマが受け取りを拒んだ信者からの献上品――黄金や宝石でした。

「もしもそれらがオーマズドのものであるならば、私はそれらを保持してはいけない。だが、この黄金を兵士に与えれば、母を村へ連れて帰る馬を得られるだろう」
――OAHSPE-23『神の第1の書』21章-13

ホグは迷いました。世俗の力に頼ることは創造主の教えに背くこと。しかし、母を村に帰すという神の意図を果たすためには、黄金を使うしかありません。


神の意志と人間の選択

最終的にホグは黄金と馬を交換し、母を無事に村へ連れ帰ることに成功します。
その後、母に余計な心配をかけないよう言い訳をしたホグですが、その選択は「信仰」と「現実」の間で揺れる人間の姿を象徴しています。

霊的能力のなかったホグだからこそ、この役目を託されたのだと考えられます。信仰を守る道も正しく、神の意図に沿う道も正しい――どちらも誤りではありません。


二つの正しさに直面したとき

私たちの人生にも、「どちらも正しいが、どちらかを選ばねばならない」局面が訪れます。
その時、必要以上に悩まず、勇気をもって選び取ることが大切なのかもしれません。神はすでに、私たちの選択を織り込み済みで見守っているのです。

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