不平等感が協調を崩すとき
私たちの中には「人と協力するよりも、自分ひとりで進めた方が気が楽だ」と考える人も多いのではないでしょうか。そうした人から見ると、協調性を大切にする人は「依存しすぎ」に映るかもしれません。
引用の中で「個人の行動で『協調』の方向に動こうとするもの」とは、本来自分ひとりで進めたいと考えていた人が「やはり協力した方が良い」と思い直す時のことを指しているように思います。その時こそ、御父(ジェホヴィ)の影響を受けているのです。
逆に、協調してきた人が突然「自分ひとりでやった方がよい」と考えるようになるのは、「悪からの影響」が働いていることになります。例えば、協調性を欠く人の存在が足を引っ張り、「不平等感」を生むことで、人は協力を嫌うようになります。
この「不平等感」が問題です。近年広まったDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)──多様性、公平性、包含性──も、実現するには一人ひとりの協調性が欠かせません。誰かが利己的にふるまえば、公平性が崩れ、不平等感が組織を壊してしまうのです。
実際、かつて神々の世界でも同じことが起こりました。クペンタ・アミジの昇天後、天界の神々は地球を守るための防衛線を築きましたが、「自分たちばかり働かされる」という不満が高まり、ついには反乱が起きました。不平等感は神々すら揺さぶるのです。
DE&Iという素晴らしい理念を実現するには、「協調」と「不平等感の是正」が不可欠です。同じ支援を与えても成果は人それぞれ異なります。本当の公平性とは、単に均等に分け与えることではなく、不平等感を減らす調整にあると考えられます。
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