理不尽にどう向き合うか──イヒン人と主神の対話
この引用文は、善良なイヒン人たちが暴虐なドルク人に略奪された際、その理不尽さを主神に訴えた場面において、主神が彼らを諭した言葉の一節です。
ドルク人による襲撃を受けたイヒン人たちは、武器を取り戦いに挑みました。そのことが「あなたたちの実体は大声で叫び、戦争し、その結果、多くの人々が倒れました」という主神の言葉に繋がっています。
では、主神は「戦うな」と言いたかったのでしょうか?
そうではありません。主神が伝えたかったのは、実体界での勝利を目指すのではなく、霊的な意味での勝利を求めなさい、ということです。
本来、この世界は清らかで、喜びに満ちているはずです。けれど、現実には理不尽な出来事が多く存在します。
しかし『OAHSPE』を読み進めていくと、私たちが生きている実体界での時間は、霊魂にとってほんの一瞬に過ぎないことに気づかされます。
そう考えると、地上でどれほど富や地位を得たとしても、それを死後に持ち越すことはできません。だからこそ、物質的な勝利を追い求めるよりも、霊的な勝利を目指す生き方のほうが大切なのです。
とはいえ、理不尽な仕打ちに対して「悔しい」と感じる心を持つことは自然なことです。
大事なのは、その悔しさをいかにして霊的な糧に変えていけるかです。それが、未来への真の蓄えになるのだと思います。
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