【解説】OAHSPEとはどういう本なのか?(6)

大洪水のあとに起きた本当の問題――霊界の堕落とその影響

紀元前2万2000年頃、地球最大の大陸「パン大陸」が太平洋の下へと沈みました。

この大災害は人類の間で「大洪水」として語り継がれており、今でも多くの神話や伝承にその痕跡が残っています。しかし人類は、その後も再び堕落し続け、約3000年後の紀元前1万9000年頃には、天に昇ることができるほどの高位の霊魂を、地上からほとんど収穫できなくなってしまいました。

地上では、さまざまな王国が戦争を繰り返し、また下天(霊界)においては、神(God)や主神(Lord)と呼ばれる存在たちまでもが、創造主の戒めを破り、自堕落な生活に陥っていったのです。
パン大陸が沈む以前には、堕落した人間の霊魂が天界を満たし、神々ですら手のつけようがない状態になっていました。ところが、パン大陸水没後に起こったのは、なんとその神々自身が堕落し始めたという事態だったのです。

この「神々の堕落」こそが、パン大陸沈没の前後で決定的に異なる点であり、今に至るまで人類に影響を与え続けている深い問題の源と言えるでしょう。

そこで今回は、「なぜ神々は堕落していったのか」について、考察していきます。

地球育ちの神々と霊界の変質――堕落の連鎖の出発点

紀元前2万2000年、地球は「ドルジ」と呼ばれる闇の霊魂で満ちあふれており、地上の神々の力だけでは浄化することすら困難な状況にありました。
そのため創造主ジェホヴィは、ドルジを一掃するために、地球最大の大陸であったパン大陸に彼らを集め、大陸ごと沈めることで“剪定”の作業を終えたのです。

ドルジが一掃された地球には一時の平和が訪れ、人々は善化され、平和な日々を謳歌しました。
しかし人間の心が浄化されたその後、次に堕落し始めたのは、地球を治める神々自身でした。


■ 神々と天使の階層について

そもそも「神」とは、地球に属する天使たちの中で最上位に位置する存在です。
その中でも、地球を統治する神がひとり存在し、地球に玉座を構えて「地球の神」として君臨しています。

この神の下には、地球に所属する第2位の天使である「主神(Lord)」が控えています。
主神は国家や都市の統治を担当し、1億人単位の天使を部下に持つこともあれば、時には数千億の天使を従えることもあります。

第3位の天使は「元帥(Marshal)」と呼ばれ、神や主神の玉座を護衛したり、直接命令を受けて任務を遂行したりします。

第4位は「ルーイ(Loo’is)」で、人間の誕生を管理する役割を持ち、胎児に霊魂を宿すという非常に重要な役目を担っています。

第5位は「アシャール(Ashar)」で、いわゆる守護天使です。人間の誕生とともにその霊魂を見守り、一生寄り添います。

第6位は「アサフ(Asaph)」で、現世で人が死を迎えた際、その霊魂を受け取り、天界へ送り届ける役目を担います。


■ 階級と昇格、そして堕落の始まり

これらの天使たちには、明確な階級制度があります。

善行を重ね、職務に真摯に取り組み、功績を上げることで、霊的な階級は昇進していきます。
そして最終的に最高位に達すれば「神」となり、さらには“上天”へと昇格することも可能です。
ここで重要なのは、神は誰でもなれる存在であるということです。

現世で命を終えたあと、霊魂として努力を重ね、霊的階級を上げていけば、やがて神になることができるのです。
それはつまり、「地球で育った神」が誕生するということを意味します。
この「地球育ちの神」の登場こそが、やがて神々の堕落の始まりとなりました。

地球最初の神セタンテスと地球育ちの神の違い:宇宙を知るか否かが運命を分けた

地球で生まれた霊魂が功徳を積み、高位の霊体となって「神」と呼ばれる存在になったとき、大きな問題となるのは、外宇宙のことを知らないという点でした。

地球最初の神であるセタンテスは、もともと外宇宙から来た大天使だったため、地球――あるいは太陽系の外にも、さらに広い世界があることを知っていました。そのため、小さな地球の中だけで自惚れるようなことはありませんでした。

しかし、地球で生まれ育った神々は、外宇宙をまったく知らないか、たとえ知識として知っていたとしても実際に見たことがないため、実感として理解できませんでした。
その結果、自分たちのいる地球だけが「世界のすべて」だと勘違いし、地球内で最高位に立つ神や、それに次ぐ主神たちは、自分こそが最も偉大な存在だと思い込むようになったのです。

このような思い上がり(驕り)こそが、神々の堕落の始まりでした。
「すべての堕落は、驕りから始まる」――それは、神であっても例外ではなかったのです。

そして最終的に、驕慢になった神々の一部は、創造主ジェホヴィの教えに背き、次々と悪道へと堕ちていきました。

大天使スーの教化と神々の改心――荒療治なき救済の道

紀元前19,000年ごろ――パン大陸の水没からおよそ3,000年が経った頃の地球には、人間だけでなく、堕落した神々も数多く存在していました。
この状況を見かねた創造主ジェホヴィは、大天使スー(Sue)に地球の教化を命じます。

スーは、パン大陸水没のような荒々しい手段は取らず、自発的に神々を善化させる方法を選びました。
その方法とは、堕落した神々に引き続き統治を認める代わりに、人間に憑依している闇の霊魂(Druj)や胎児の霊魂(Fetal)を引きはがし、その霊魂たちを彼らの部下とすることを許す、というものでした。
偽神たちはこの提案を受け入れ、競うように人間から霊魂を引きはがし、自らの勢力を拡大していきました。
しかし、これはすべて大天使スーの計画どおりだったのです。つまり、パン大陸水没のときと同じように、定命の人間たちからドルジ(闇の霊魂)を排除する効果が得られていたのです。
やがて偽神たちの下には、霊的な位の低い霊魂ばかりが集まり、次第に彼ら自身も手を焼くようになりました。
そんな中、再びスーが地球に降臨し、秩序と規律が保たれた高位の霊魂たちによる昇天の儀式――いわゆる「ジェホヴィの花嫁花婿」を偽神たちの前で行いました。

この光景を目の当たりにした偽神たちは、どれだけ多くのドルジを従えていても、高位の霊魂にはまったく敵わないことを悟り、次々と改心していったのです。

これが、パン大陸沈没から1周期(約3,000年)を経て、大天使スーが再び地球に現れた「救済の物語」です。
これらの出来事は『OAHSPE 第11書 スーの書』に記録されています。

この時代、神々の堕落はまだ深刻ではなく、適切な導きさえあれば改心が可能なレベルでした。
しかし、時代が下るにつれ、堕落はますます凄まじく、破滅的なものへと進んでいくことになるのです。

参考文献, 使用画像

図書著者出版社
OAHSPE ”A New Bible in the Worlds of Jehofih and His angel embassadors.”John B. NewbroughOAHSPE PUBLISHING ASSOCIATION

画像:stable diffusion(model:XSMerge-RealisticVisionV3-ForArchi)より生成


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