【名言】悪人は未完成の作品──だからこそ希望がある。

なぜ生まれるのか──霊魂成長のPDCA

この世界に存在する霊魂は、基本的に「永遠の生命」──つまり無限の時間を持っています。ただし、あくまで“原則的”であり、すべての霊魂が永遠の生命を持つわけではありません(『OAHSPE・真神の書』第18章2〜10節)。

地球が誕生し、パン大陸が水没する時代までに「永遠の生命」を得られた人間は、全体の約3割に過ぎなかったとされています。たとえば、イヒン人に奴隷として使役されていた「ヤク」と呼ばれる種族は、その永遠の生命を持たなかったと言われています。永遠の生命を持たない霊魂は、死後の世界を持たず、他の動物と同じように、死とともに霊的存在としても消滅してしまいます。

しかし時代が進むにつれ、永遠の生命を持つ割合は増えていき、神フラガパッティの時代には約9割の人々が永遠の生命を定着させるようになりました。

このことから考えると、地球という星には「永遠の霊魂(精神体)を育てる」という役割があるのではないかと思います。人間は輪廻転生を通じて、少しずつ成長していく存在です。そのプロセスは、現代のPDCA(Plan, Do, Check, Action)にも似ています。

この世に生まれるとき、私たちのほとんどは前世の記憶を持っていません。そのため、かつて自分がどのような行いをしてきたのか、分かることはありません。それでも構わないのだと思います。もし前世で大きな罪を犯していたとして、それを記憶したまま生まれたならば、現世で前向きに生きることが難しくなるかもしれないからです。

基本的には、現世に生まれる前に「霊魂の禊(みそぎ)」が済んでいると考えるのが自然です。そして今を生きる私たちは、与えられた現世を喜び、前向きに生きていくことが大切だと思います。

その代わり、現世では私たちの「霊魂としての成長度合い」が問われています。成長とは「善性」──すなわち「光の強度(階級)」をどれだけ高めることができるか、ということです。天界では、上位に行くほど光の強度が強くなるとされており、そこに住むためにはその光に耐えられるだけの成長が必要になります。

光の強度は階級として表現され、未熟な霊魂、たとえば闇に堕ちた霊魂の中には、1桁の低い階級にとどまることもあるとされます(『OAHSPE・クペンタ・アミジの書』第7章20節)。

人間の成長とは、自らの霊魂の光の強度(階級)を高めていくことに他なりません。そしてそのためにこそ、私たちは輪廻転生を繰り返しています。たとえ現世で高い地位を得ても、それ自体が光の階級に影響を与えることはありません。ただし、高い立場にある人ほど、他者への善行を施す機会が多いため、結果的に光の強度を高めやすくなるのだと思います。

善人とは、光の強度が高い人のことです。私たちがこの世に生まれてきた目的が「霊魂の成長」にあるとするならば、それが果たせない人、つまりまったく成長できない人は「時間が止まっている」とも言えるのかもしれません。

しかし逆に言えば、「悪人は未完成の作品である」と創造主ジェホヴィも語るように、そこには大きな成長の可能性があるとも考えられます。自分の過去の悪行を悔い、心から改心するということは、簡単にできるものではありません。だからこそ、それが実現できたなら、それは非常に尊く、価値のあることです。

仮に自分の中に100の悪行があったと気づけたならば、その何百倍もの善行で償っていくこと。それこそが、霊的成長の本質なのではないでしょうか。

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