地上の優劣に惑わされず──ブラフマと息子ホグの霊的学び
ブラフマとその妻ユティヴは、7人の息子に恵まれました。末子ホグが生まれるまでは、2人とも創造主への信仰心が篤く、日々その恩寵を願って暮らしていました。
ところがユティヴは、次第に創造主の降臨を信じられなくなっていき、ホグを出産した際には「自分が間違っていた」とまで語るようになりました。
その後、ホグが3歳になったとき、創造主ジェホヴィが実際に降臨し、ブラフマに対してこう告げました。
「あと18年間、信仰心を抱き続けなさい」
ブラフマはこの言葉に深く感動し、すぐに妻に伝えました。ユティヴは、あと18年も待たなければならないことに気落ちしつつも、夫とともに希望を抱き、信仰を持ち続けました。
そして18年後、ホグが21歳になった誕生日の夜、創造主は再び降臨し、ブラフマとその家族に向けて説法を行いました。
創造主の姿は、ホグを除くすべての家族に見えました。ホグだけがその姿を見ることができなかったのです。両親は、「自分たちの信仰心が足りなかったせいではないか」と悩みました。
しかし実際には、ホグは創造主と非常に高い霊的レベルで対話しており、そのため創造主から、両親に対して説明するように命じられていたのです。ホグはその高度な霊的対話に自信を持ち、やや傲慢な口ぶりになりました。すると創造主はこう語りました。
「地上に生まれたあなたは、地上の目で見て、地上の耳で聞き、地上の理性でしか考えることができない」
たとえ現世で高い霊的レベルにあっても、それはあくまで地球という限られた枠内での話であり、宇宙的な視点から見れば、ほんのわずかな違いでしかない──ということです。
たとえば、生まれたばかりの霊魂と、何度も輪廻転生を重ねた霊魂が同じ地上に存在した場合、経験を積んだ霊魂のほうが成熟しており、その人間は周囲から非常に優秀に見えるかもしれません。
しかし、創造主が語るように、現世での優劣が永遠の霊魂にとって意味があるかというと、必ずしもそうではありません。
霊魂は永遠に生き続ける存在です。現世の人生は限られており、しかも転生(第二の復活)のたびに記憶はリセットされます。時間が無限である以上、成長が遅くても、真摯に進んでいけば、誰もがいずれ同じ高みへと辿り着けるのです。
だからこそ、他人と自分を比較して優劣をつけるよりも、自分自身の霊的成長に集中することの方が、はるかに意味のある生き方なのかもしれません。
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