「今見えている世界」は半分──神イフアマズダが語る運命の真理
ゾロアスター教の開祖ザラツゥストラが、オアスの王・アシャのもとを訪れ、経典の内容を説明していた時のことです。どれだけ丁寧に説明しても、アシャ王はかたくなに受け入れようとはしませんでした。彼はこう主張したのです。「オアスの町が発展したのは、神や霊魂といった見えない存在を信じなかったからだ」と。
この時、神イフアマズダが語った言葉が引用されています。
神イフアマズダは、「人間が把握できるのは、今目に見えている世界の“半分”にすぎない」と述べています。そして、その運命の多くは自分の力ではどうすることもできないのだとも。
つまり、生まれた時の家庭環境や国籍、時代背景など──人生のスタート地点は、自分の意思では決められないということです。
しかし、神イフアマズダはこうも語ります。
「人間が次の世界での『未来の運命』を決めるために、現世で行うべきことはたくさんあります」
この世に生を受けた後であれば、自らの選択と行動によって「死後の世界での運命」を形づくることができる、という意味です。
現世で功徳を積めば、来世でその恩恵を受ける──これは因果応報とも言える霊的法則です。
たとえ今の人生がどれほど困難でも、不満や不貞腐れに流されず、不滅の霊魂の視点で、未来の自分のために功徳を積んでいくことが大切なのだと感じました。
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