罪と向き合い、奉仕によって償う──偽神アフラと主神オーエンの対話より
偽神アフラが地獄の業火から救出された後、彼は「誰とも関わりたくない」と語りました。それに対して主神オーエンは、「誰一人、自分自身から逃れることはできない」と諭しました。
この言葉が示すのは、たとえ他人との関わりを断ったとしても、自らの内にある罪や過ちからは逃れることができず、いつか向き合い、贖罪しなければならないという真理です。
『OAHSPE』では、現世に執着して成仏できない霊魂たちが「堕落した下天(Hada)」に留まり、現世で憎しみを買った者に取り憑いたり、「群れ(Knot)」となって共鳴し合い、逃れることが困難な霊的な渦を形成することが語られています。こうした状態に陥った者は、自力での脱出が難しく、神々の救済を待つしかないとも言われています。
現世の倫理観で見れば、かつてのアフラの行為は極めて悪質であり、到底許されるものではありません。しかし、アフラにはかつて自らに仕えていた霊魂たちに奉仕するという「罰」が与えられました。
一見すると甘い裁きに思えるかもしれませんが、『OAHSPE』では一貫して「他者への善行」や「奉仕」を通して霊魂を清めることが説かれています。アフラが赦されることによって、彼が他の者たちの成長に貢献できるのであれば、結果的に全体の善化につながる──そのような視点がそこにはあります。
人を傷つけた場合、その人を癒すことによってしか償うことはできません。また、もし命を奪ってしまったのであれば、その人が持っていた「生きる権利」や「享受できたはずの幸福」を取り戻すことによってしか償うことはできません。しかし、命を奪った相手がすでにこの世にいない場合、それを回復する手段はこの現世にはなく、天界での贖罪に委ねられることになります。
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